外壁における凍害とは、コンクリートの内部にある水分が凍結することによって発生します。
水分が凍結して氷になると、ほんの少し膨張し、コンクリートの内側から外側にかけて圧力がかかる状態になります。氷が溶けると水分の体積は元に戻り、圧力も元にもどりますが、この水分の凍結と融解を繰り返すことで、コンクリートの内部からの圧力をかける作用が繰り返され、コンクリートの劣化に繋がっていきます。
一見頑丈に見えるコンクリートですが、引っ張られる力には弱いという性質があり、内部からの圧力に対しても同様に性質的には強くありません。外壁材として一般的に使用される窯業系サイディングには、コンクリートの仲間であるセメント質を主原料としているため、同じメカニズムで凍害が起きてしまいます。
■ポップアウト現象
凍害の代表的な症状で、コンクリートの表面が割れ、薄い皿状に剥がれ落ちる現象のことを言います。
初期では小さな剥がれですが、進行が進むとより塗膜の大きな剥がれへと繋がっていきます。ポップアウト現象の進行状況によって、外壁自体の耐久性の劣化状況が確認できる指標となります。
■凍害による外壁のひび割れ
コンクリート内の水分が凍結・膨張した際に、ひび割れが発生する現象のことを言います。最初は小さなひび割れでも、寒くなるにつれ段々とひび割れが大きくなり、大きな欠損に繋がることもあります💦
■外壁の剥がれ
凍害の進行が進むと、最終的に外壁材が大きく割れたり、表面から剥がれ落ちたりしてしまいます。ここまで劣化が進むと、外壁材として十分な強度が得られず、水分が外壁内に回り込み、躯体(建物の骨組み)の損傷など建物の劣化が急激に進んでしまう状態になります🥶
夜など一時的にでも気温が0度を下回る地域は、凍害が起きる可能性があります。特に昼夜の気温差が大きい場合、凍結と融解が繰り返し起こりやすくなるので、凍害の発生率も高くなります。
湿気の多い水回りや、日が当たりにくい建物北側に凍害は発生しやすくなります。具体的にはバルコニーや建物の角、台所や洗面所の水回りなどが挙げられます。
また、水切り板金や幕板、破風板、劣化が進んだコーキングの周辺も外壁内に水が浸入しやすく、そこから凍害を起こす可能性があります⚠
凍害は目に見える障害ももちろんありますが、素人目ではわからないような箇所に被害が出ていることもあります👀‼
外壁塗装をしっかりと行うことで、こうしたチェックの漏れを防ぐことができ、凍害を未然に防ぐことが可能です✨
また、凍害の発生原因は主に塗膜の劣化です。経年によって塗膜の効果が失われることによって凍害が発生します。そのため、塗膜の効果がなくなるまえに塗装の塗り替えを行うことが最も有効な対策となります❗凍害が発生する前に対策を打ち、これを未然に防ぐのが大事ですね😀☝